ゲームメイクについて

Today’s Lesson Concept : 正確なラリー

本日のジュニアレッスンでは、「正確なラリー」をコンセプトにサポートしました。本日の生徒さんは、スイングを怖がらずしっかりとボールを打てる段階にいます。球出し練習では、フラット系の球速の速いボールを大きなスイングで振り切る事ができていました。しかし、コーチとのラリーとなると・・・・・・・一変!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・みんな相手コートに入れる事を意識しすぎて、山なりのボールやスライス系のボールを打っていました。・・・・・・・・・・・・あの球出し練習の時の「気持ちの良いショット」は何処へ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「正確なラリー」を行うには、先ず「スイングスピードで飛距離を調整しない事」が大切です。しっかりとラケットを振り、球種を選んでボールを打つ事が必要です。

スピンであれば下から上にしっかりと振り上げてボールに回転をかける、スライスであれば上から下へしっかりと振り下ろしてボールに回転をかける、フラットであれば真っすぐに振ってボールを真っすぐに飛ばす。

球出し練習で自分のスイングフォームをきっちりと決める事ができれば、できる限りラリーの時間を増やし、怖がらずにラリーで振り切れる習慣をつける事が必要と感じました。

 

本日は、「ゲームメイク」について考えてみたいと思います。

ゲームメイク」とは、切り口は多様にありますので、ここでは「オープンコートを作る事」を意味するとします。

試合でよくみられる「ゲームメイク」は

 

センタラリー → クロスラリー → アングルのスピン

→ クロス返球:ストレート(ダウンザライン)、ストレート返球:クロス

 

ですね。アングルのスピンで大きく跳ねさせ、相手をコート外に追い出す。クロスで返ってきたボールをダウンザラインへウィニングショット。これが最もシンプルな「ゲームメイク」だと思います。

しかし、リスクもたっぷりです。

 

①アングルのスピンがサイドアウトとなるリスク

②アングルのスピンを強烈なストレート(ポール回し気味)でカウンターショットのリスク

 

この定石とも言える「ゲームメイク」は、誰しもがケアしているもので、ある意味「準備」されているパターンと言えます。だから、「アングルからのストレート(カウンター)」を練習で行っているケースも多いかと思います。

つまり、

 

ありきたりな「ゲームメイク」では、相手は練習済みで「準備」されている

 

と考えるべきだと思います。では、「ゲームメイク(オープンコートを作る)」には何が必要なのでしょうか。

 

大切なことは、「オープン作る事を「相手をコート外に追い出すと捉えない事」だと考えます。相手がコート内にいても「届かない場所」は作れます。

例えば、

 

バックのスライスでクロスラリー → 相手をベースライン上で仰け反らせる → 相手側のフォアサイド浅い場所(サービスエリア)へフォアのショートクロス

 

このように、相手がコート内にいても、スライスで十分に攻めていれば、相手はベースライン上でスライスに対応する為、自然と体重を後ろにかかり気味で構えています。この状態で、フォアのショートクロスを打てば、それ程ライン上を狙わなくとも相手は届かないですね。体重が後ろにかかっている状態では、十分にダッシュする事ができず、一歩が遅くなります。

 

このように、「ゲームメイク」とは「相手の一歩を遅らせる状態を作る」という切り口も有効だと感じます。

もちろん、「相手のいない場所を作る」という切り口も有効です。しかし、これは比較的考えやすい「ゲームメイク」であり、「相手の一歩を遅らせる状態を作る」という切り口は「わかっていても届かない場所」にできると考えます。

 

「ゲームメイク」は「相手の一歩を遅らせる状態を作る」

 

この「ゲームメイク(オープンコートを作る)」は、戦略(パターン)の一つで、ポイントを獲る為のとても有効な戦略です。

 

まだまだ、たくさんの「ゲームメイク」があるはずです。それを自分の得意なショットや土俵から、独自の「ゲームメイク」を発見したもの勝ちですね。最早ショット等のスキルが十分に血肉化できたのであれば、独自の「ゲームメイク」をイメージし誰も使っていない独自の「ゲームメイク」を探してみてはいかがでしょうか。きっとテニスが楽しくなりますよ。

 

 

次回は、「【Break time】  風対策」です。

ラケット操作について

Today’s Practice Concept : ラケットの「面」を意識する

本日の練習は、「ラケットの面を意識する」事で、「同じボールをしっかりと打ち続ける事」を行いました。

この「ラケットの面を意識」するとしないのとでは、同じボールを打ち続けることは難しいと感じています。スイングは同じ軌道で行おうと思っても、相手の返球により異なってきます。

同じボールを打ち続ける」には、当然「ラケット面にしっかりとボールを当て続ける」事が必要になりますね。

つまり、スイングを意識するよりも、ラケット面にどう当たっているかを意識する方が先だと感じました。ボールが思い通りに飛ばない時、よく素振りをしますが、この素振りは肩の入り方や壁の作り方、軌道をチェックするだけでなく、そのスイングでラケット面がしっかりと作れているかをチェックする事が大切と感じます。

 

本日は、「ラケット操作」について考えてみたいと思います。

ラケット操作」とは、文字通り「ラケットをどう動かしているか」です。ジュニアのレッスンを見ていても、この「ラケット操作」は千差万別で、生徒さん毎に個性あふれる「ラケット操作」をしています。自分に合った、違和感のないスイングでラケットを操作し、上手にボールを飛ばしています。その中でも、しっかりとスイングはできているものの、上手くボールを飛ばす事ができない生徒さんもいます。

この「しっかりと違和感のないスイング」ができているにも関わらず上手くボールを飛ばす事ができない原因が「ラケット操作」にあると感じます。

 

ラケットを操作する目的は、ラケット面(真ん中)にボールを当てる事です。ラケット面にボールがしっかりと当たらなければ、どれだけ強振してもボールは飛びませんね。

ラケット操作を行う上で大切なfactorは次の3つです。

 

①ラケット面を「視点」にイメージする事

②ラケット面にボールが当たった「感触」を確かめる事。

③ラケット面にボールが当たった「音」を確かめる事。

 

この3つのfactorを意識する事で、ラケット面が操作できているか(ボールがしっかりとラケット面に当たっているかどうか)を確認する事ができます。

この①~③を見て気づく事はないでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!

 

この3つのfactorのキーワードは、「視点」「感触」「」です。これは、いずれも「感覚」です。

つまり、「人の体が感じる領域」です。上記3つを言い換えると、

 

①ラケット面に「」がついている感覚

②ラケットが「」の一部(延長)という感覚

③ラケット面に「」がついている感覚

 

となります。

 

「ラケット操作」を上手く行うには、「ラケットを体の一部」と感じる事が大切

 

では、「ラケットを体の一部」と感じる事とはどうすればいいのかですが、これは体の構造を考えるとイメージできると思います。

 

体の一部である」を言い換えれば、「神経がつながっている」と言えると思います。

 

神経がつながっている」という事は、「感覚が脳まで伝わる」という事です。

 

つまり、

 

ラケット面、或いはラケットの先まで「感覚」を研ぎ澄ます

 

という事です。文字で書くと難しそうに思えてしまいますが、これは至ってシンプルです。

 

「感覚」を研ぎ澄ます = 意識を「点」で集中する

 

集中の仕方でもありますが、集中の仕方には「」と「点」があると思います。

 

面の集中」とは、色んな状況を把握し、大きな視野で意識を働かせる事だと考えます。

 

点の集中」とは、局所的に把握し、小さな視野(1点)で意識を働かせる事だと考えます。

 

「ラケット面の操作」に必要な集中は、「点」であり、ラケット面を体の一部と感じるくらいに、ラケット面1点に集中する。そうする事で、ラケット面に表れる「感覚」が手に取るように伝わってきます。

 

因みに、テニスで「面の集中」が必要なケースは、「戦略」を実行する時です。

 

このように「ラケット面」をしっかりと操作するには、MYTAで大切にしている「考える力」=「集中力」が大切になってきます。

このような目では見えない部分も、しっかりとレッスンの中で伝えていきたいと思います。

 

次回は、「ゲームメイクについて」です。

戦略(パターン)について

Today’s Practice Concept : 本日お休み

 

本日は、昨日の「スイッチ」の中で出てきた「戦略(パターン)」について考えてみたいと思います。

「戦略」とは、ポイントを獲る為に実践する事を流れで捉えたものです。この戦略がなければ、永遠とラリーを続けたり、相手が打ち返してきたボールをひたすら打ち返すといった場当たり的なテニスになってしまいます。ボールを闇雲に打つのではなく、しっかりとポイントを獲るまでの道筋を決めて、それに沿ってプレイする事が大切です。

 

テニスでポイントを獲る為に必要なfactorは次の4つです。

 

①土俵 → 相手が気持ちよく打ち返しずらいショットをラリーの中で打つ事で主導権を得る為に作る。

②スイッチ → 戦略の始まり。集中の度合いを上げるタイミングでもある。

③戦略(パターン) → ウィニングショットを放つまでの布石。無理なく確実にショットし、仕留められるオープンコートを作る。

④ウィニングショット → 戦略(パターン)で作られたオープンコートへ、自分が得意なショットで確実に仕留める。

 

この中で、「戦略(パターン)」の有無がポイントにはとても重要になります。

 

ここで大切なことは、「イメージ」です。この「戦略(パターン)」を実践する上で、上記①~④をどのように「イメージ」すればいいのでしょうか。

 

<実践する順番>   ① → ② → ③ → ④

 

となります。これは当然ですね。しかし、「戦略(パターン)」のイメージの順番は、

 

<イメージする順番> ④ → ③ → ② → ①

 

です。これは、「イメージ」とは「実践」前に行うことですので、以下のような順番で考えることが必要です。

 

最後のウィニングショットを最初にイメージし、

それに必要なオープンコートはどこかを定めます。

次に「スイッチ」を押すタイミングをある程度決めた上で、

しっかりと自分の土俵でラリーを行う。

 

ついつい先ずはどんなラリーをして・・・・といったラリーの事から考えてしまいがちですが、このラリーから考えてしまうと、相手の返球がどのように返ってくるか不明な中で「戦略(パターン)」はイメージできないですね。

 

このように、「戦略(パターン)」というものを持っていると

 

「ポイントの獲り方」が定まります。

 

従って、

 

「勝ち方」が定まる

 

訳です。

 

相手の返球をひたすら厳しいコースへ厳しいボールを打ち続けるテニスではなく、しっかりと考えて、ポイントを獲るべくして獲れるテニスを目指していきたいと思います。

 

次回は、「ラケット操作について」です。

 

スイッチについて

Today’s Practice Concept : 本日お休み

本日は「スイッチ」について考えてみたいと思います。

 

「スイッチ」とは、MYTA一般コース上級でサポートしている「戦略(パターン)に移行するショット」の事を言います。この「スイッチ」が起点となり、ポイントを獲っていく事になります。

ラリーを続ける中で、自分の得意なショットを打つ為の環境を整える、言い換えれば「チャンスボール」を演出する事が大切になると思います。永遠にラリーをし続け、ミスをしたもの負けというものではなく、しっかりと自らがgame make をして、得意なショットでポイントを獲るからこそ面白いと思います。

 

「スイッチ」には、大きく分けて2つのものがあると考えます。※パターンについては、またの機会にお話ししたいと思います。

①緩急

速いボールと遅いボール、球種によるスピードチェンジを契機としてパターンを履行する。

②コース

前後左右のコースに打ち分けによるコースチェンジを契機としてパターンを履行する。

タイプによっては、この「スイッチ」を押さないスタイルもあります。※タイプについては、またの機会にお話ししたいと思います。

 

この「スイッチ」は、「決め球(ウィニングショット)」にしない事が大切です。レッスンの中でも「スイッチ」となると、急に速いボールをライン際に打ち込もうとする方がいらっしゃいます。

 

「スイッチ」とは「決め球」ではなく、これから展開していくパターンのスタート

 

 

しかしながら、「スイッチ」はスピードチェンジやコースチェンジと少なからずリスクを伴います。ですので、しっかりとその後のパターンをイメージし、ラリーを行いながら「スイッチ」を安全に押せるボールを演出する事も大切です。

 

 

「スイッチ」を無理に押さず、ラリーでしっかりと相手を抑えた上でのショットとする事

 

「スイッチ」を入れた後は、イメージ通りにショットを放っていきます。自分の得意ショットへ向けて布石を数本打ち、気持ちよく決める。

 

 

「スイッチ」後は、ウィニングショットへ向けた攻め(布石)を打ち、得意ショットで決める(パターン)

 

このように、「スイッチ」を意識しておけば、永遠と続くラリーで相手のミスを待つ事無く、自分から「仕掛ける」事ができます。

 

それでは、「スイッチ」には、どのような球があるのでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・これは、各々のプレイスタイルやシーンによって異なります。

しかし、「スイッチ」を入れる球として必要なfactorは次の3つです。

 

①セーフティな球である事

②相手の打ちにくい球である事

③返球が予測できる球である事

 

つまり、「スイッチ」を入れる際は、必然と力が入ります。自分がミスをするリスクがあるショットになりますので、できるだけセーフティな球(コース)を選びましょう。

次に、セーフティな球であるが故に、相手が容易く打てる球だと攻撃されます。しっかりと相手のポジションを確認した上で、相手が打ちにくい球(コース)を選びましょう。

最後に、「スイッチ」を入れた後、パターンが実践できるように返球が予測できる球(コース)を選びましょう。

 

この3つを意識し、自らが考え、思い通りのポイントを獲得していければ、ラッキーではなくgame make によるポイント獲得で、雰囲気もこちらに流れてきます。そして、何よりも「面白い」です。

 

今回お話しした「スイッチ」は、戦略(パターン)の実践に必要なショットです。この「戦略(パターン)」については次回お話ししたいと思います。

 

 

次回は、「戦略(パターン)について」です。

【Break time】 ラケットについて

Today’s Practice Concept : インパクト時の一歩を大きく

本日の練習では、インパクト時の一歩を大きくする事を意識しました。「重心を低く」と同様な感じですが、このインパクト時の一歩を大きくする事で「ボールをロックオン」できるばかりでなく、「重心を低く」といっても実際にどのように動作を起こせばいいのかを考えた結果、「インパクト時の一歩を大きく踏み出す」事で「重心が低く」できるのではと実践してみました。

とても良い感じでした。しっかりと踏み出しラケットを振ると、下から上への力が加わり、ボールがしっかりと掛かるようになりました。しかし、この一歩を大きくすると「疲れ」ます。足腰の体力は必要ですね。

 

本日は、Break Time として「ラケットについて」少しふれたいと思います。

皆さんは、「ラケットを大切にしてますか?」・・・・もちろん、大切にされてますよね。ラケットってテニスをする上で「なくてはならないもの」だと思います。

それは、

単に「使わないとテニスができないから」

というだけでなく、

「テニスがしたいと思わせてくれる」

からだと感じます。この「したいという気持ち」が大切だと思うのです。「したい」とか「好き」とかいう「気持ち」がテニスを上達させてくれる訳で、その「気持ち」を高めてくれるものが大切なのです。

それが、「トッププレイヤーのようになりたい」というような憧れのプレイヤーだったり、好きなウェアが着たいからというものでも良いのです。

その中で、最も身近にあり最も必要なものが「ラケット」だと思うのです。

 

「上達」の肥やしは「好き(したい)」という気持ち

 

それを、ただ単に思う事だけでは難しいので、それをモノで得るという事も大切なのではないでしょうか。

 

私は、「ラケット」を信頼し、「ラケット」を物凄く気に入っています。この気持ちが明日のテニスに繋げてくれているのではないかと、つくづく思うのです。

皆さんも、「テニスが好きな理由、なぜテニスがしたいのか」を一度考えてみてください。・・・・・・・・・・・・もっとしたくなると思いますよ。

 

次回は、「スイッチについて」です。

サーブの安定感

Today’s Lesson Concept : フットワークの速さが準備の速さ

本日のジュニアレッスンでは、「フットワーク」を重視しました。ある程度ボールを打つ事ができるようになった次のステップは「フットワーク」です。あながちボールを打てるようになると、足よりも先にラケットを動かしてしまうようになります。ストロークラリーやボレーでも、球出しのような打ちやすい所にくるボールを打つ段階から「自分が打ちやすい所に動いて」ボールを打つようにならなければなりません。

球出しは「ラケットにボールを当てる練習」で、ラリーは「自らが打ちやすい所に動く練習」と考える事が大切だと感じます。

本日の生徒さんは皆、ボールを打つ事ができる段階にきています。次は、しっかりとボールの軌道を読み、自らが打ちやすい所に素早く動き、いつものようにラケットを振るという段階です。ここで大切なのが「素早く動く」事です。素早く動けばそれだけボールをよく見れ、準備が整います。より力のあるボールが狙い通りに打てる訳です。

この部分が、本日の生徒さんはまだ初動が遅い為、無理してボールを打っている感じです。サイドステップと初動を早くするイメージを持つ事が必要だと考えます。

 

本日は「サーブの安定感」について考えてみたいと思います。「サーブ」が突然入らなくなる事に関しては先にお話ししました。誰しもがサーブを安定させたいと考えていると思います。しかし、「安定」を求めるという事はどういう事なのか・・・・・・・・考えてみたいと思います。

 

サーブには、ファーストサーブとセカンドサーブがありますね。当然、ファーストサーブでしっかりと主導権を得たいサーブです。一方、セカンドサーブは「ダブルフォルトするかもしれない」や「リターンで攻められるかもしれない」等色々な危険性を孕んだサーブになります。これらのサーブに「安定」とはどういう事なのか。

 

①ファーストサーブ

攻撃的で、リターンがチャンスボールになりやすい、或いはリターンの軌道が先読みできるようなサーブ。

フラットサーブであればできるだけ強く叩きスピードを出す、スピンサーブであればできるだけ強く擦り大きく跳ねさせるというように、「できる限り強く、速くスイング」するサーブ。

 

②セカンドサーブ

守備的で、ダブルフォルトを回避する事が第一優先のサーブ。

入る確率の高いスピンサーブが一般的で、強さや速さよりも「正確にスイング」するサーブ。

 

この2つのサーブの「安定」とは、文字通り「入る確率を上げる」事ですね。しかし、入る確率を上げる為にファーストサーブのスイングが弱まってはいけませんね。ファーストサーブは攻撃的だからこそ有利に働くのであって、ファーストサーブがセカンドサーブと同じような程度になってしまってはいけません。サーブに不安があるプレイヤーは、ファーストサーブもセカンドサーブのように打とうとします。これは駄目なことでは決してありません。サーブが入らなければゲームになりません。当スクールの代表も「サーブが入らなければ猫にも勝てない」とよく仰っておられます。

ここで考えるべき事が「安定」なんです。「安定」は、ファーストサーブ、セカンドサーブの各々に求めるのではなく、ファーストサーブとセカンドサーブの両方を一つと考える方がベターだと思います。

ファーストサーブとセカンドサーブの「安定」とは、つまり「双方のバランス」を考える事だと思います。

 

サーブは「ファーストサーブ」と「セカンドサーブ」をセット(一つ)と考える

そして、

サーブの「安定」とは、ファーストサーブとセカンドサーブの「双方のバランス」を良い状態に保つ事

 

こう考える事で、

 

「安定」を求めるが故に失ってしまいがちな「ファーストサーブの強さ」を維持でき、

且つサーブ自体に「余裕」が生まれる

のです。

 

これには、先ず入る確率が比較的低い「ファーストサーブ」の確率を上げる事が必要だと考えると思います。それは一つの正解です。ですので、ファーストサーブの練習はしっかりと行いましょう。しかし、「ファーストサーブ」の確率は特に環境に左右され、試合での緊張で不安定になります。では、しっかりと「ファーストサーブ」の練習を行った上で、もっと必要なことは「セカンドサーブ」の確率を上げる事です。「セカンドサーブ」の確率が上がれば、サーブは「安定」したと言えます。なぜなら、「ファーストサーブ」と「セカンドサーブ」の両方を一つと考えているからです。「ファーストサーブ」が入らなくても、セカンドサーブが入れば「〇(マル)」なのです。

且つ、「セカンドサーブ」の確率が上がれば、「ファーストサーブ」にも好影響を与えます。言わずもがなですが、より思い切って「ファーストサーブ」を打てるようになります。これは、とても大切な事です。「ファーストサーブ」は普通でも力の入る「緊張感のある」サーブです。「緊張」には「余裕」が必要でした(サーブが突然入らなくなる?!参照)。「セカンドサーブ」の確率が上がれば、「ファーストサーブ」を外しても大丈夫という「余裕」が生まれます。この「余裕」が「ファーストサーブ」の確率を上げてくれます。「ファーストサーブ」の確率が上がる事は大歓迎です。なぜなら、試合を優位に運んでくれるのですから

 

つまり、

 

サーブの安定感の鍵は「セカンドサーブ」にある

 

と思います。一見当たり前のようですがただ単に「セカンドサーブ」だけの「安定」を考えるのではなく、「ファーストサーブ」にも好影響を及ぼす事を理解したうえで、「セカンドサーブ」を重視する、「セカンドサーブ」の確率を上げた上で「ファーストサーブ」をしっかりと打つのです。

ですので、サーブ練習となるとバシバシと思いっきり打っているシーンをよく見受けますが、先ずは「セカンドサーブ」の練習をしっかりと行う方が良いと考えます。練習で「ファーストサーブ」が入っても試合環境では激変する事がよくあります。「セカンドサーブ」を自信をもって打てるようになってから、満を持して「ファーストサーブ」の練習を行う流れがベターだと思います。

MYTAでも、先ずは「ファーストサーブ」と「セカンドサーブ」の違いを意識する事と、「セカンドサーブ」の確率アップ、その後「ファーストサーブ」の武器研磨を実践していきたいと思います。

 

次回は、「ラケットについて」です。

軸と重心について

Today’s Practice Concept : 重心を低く、回転を意識する

本日の練習では、「重心を低く、回転を意識する」事をコンセプトにしました。4日に本年初練習をした時に、意図せず浮いてしまうボールが多かった事を調整する事が目的です。

結果的には上手くいきました。自分のボールはフラットドライブ系なので浮いてしまうとバックアウトしてしまうんです。それを抑えるにはどうすればいいかを実践した訳です。

 

それでは、本日の練習を受けて「軸と重心について」考えてみたいと思います。

スイングする上で、私がイメージしている事は「コマ」です。お正月によく回す「コマ」です・・・・・・・・・ちょっと、古いですかね。

「コマ」をよく回すにはどうすればいいか。

 

①「コマ」の本体を低く調整する

②「コマ」の中心の棒が地面と垂直になるように回す

 

「コマ」が回る時、地面に接している棒(軸)が回転しています。遠心力が弱まると、その先が地面との摩擦で徐々に円を描くように回り始めます。地面と接している先が円を描くと、反対側も円を描くように回ります。地面に接している反対側に重心がある場合、大きく円を描きグラグラと揺れてしまいます。一方、地面に接している側に重心がある場合、そのグラつきは殆どなく回転が止まるまで「コマ」は回り続けます。

「コマ」を回す時、紐を「コマ」にグルグル巻きつけ、横投げで紐を引きます。この「横投げ」が上手くいかないと「コマ」はグラグラと揺れて地面に着き、有らぬ方向に転がっていきます。「横投げ」の際に気を付けるのが、「地面と水平」に投げる事です。そうすることで、「コマ」にバランスよく向心力が働き安定して回転します。

 

このように、「コマ」の回転と「体」の回転は同じ「回転」の構造ですので、「コマ」をイメージする訳です。

 

①「体(膝・腰)」を低く構える

②「体幹」を地面と垂直に回転させる

 

「体幹」とは、明確な定義はないですが「頭と手足を除く体の部分」を言います。この2点を意識してスイングすると、ボールは浮かなくなりました。

 

では、なぜこの2点を意識するとボールは浮かなくなるのでしょうか。

 

①「体(膝・腰)」を低く構える

一つに、低く構えるとスイングした時に伸び上がる形でラケットは振られる事になります。これは、必然としてボールに縦回転がかかりやすくなると考えます。

また、低く構える為にはいち早くボールの軌道に入り準備をしなければなりません。これは、必然としてボールをよく見て、集中することができると考えます。

また、低く構えると体が浮きにくく、ボールの衝撃に負けない為しっかりとボールをholdして打ち返すことができると考えます。

 

②「体幹」を地面と垂直に回転させる

一つに、軸を真っすぐな状態でスイングする為、回転力が強く、ボールに最も力を加えることができると考えます。

また、スムーズに回転させることができる為、腕・手首・ラケットが自然に回ると考えます。

 

これらの動きが、ボールをしっかりと飛ばす「力のベクトルを合わせる動き」となります。

 

ボールが上手く飛ばなくなった時、ラケットの動きや腕・肩の動きに傾注しがちですが、この「重心」や「軸(体幹)」が影響している場合も少なくありません。私自身、ボールが上手く飛ばなくなった時、先ずは「姿勢」をチェックしています。グリップやスイング(腕の振り)自体は、意図しない限り変わらないものと思っています。MYTAでは「自然な自分の身体的特徴に合った違和感のないスイング」を目指していますので、スイングに違和感がなければ「スイング」の調整は不要なのです。逆に、スイングに違和感があるなら、「重心」や 「軸(体幹)」ではなくラケットの動きや腕・肩の動きをチェックする事になります。

 

「重心を低く」するには、足腰の筋力が必要

「体幹を垂直に回転」するには、バランス感覚が必要

 

これらはスキルではなく、トレーニングで身に着けていかなければなりませんね。やはり、ヒッティングばかりにせず、筋力・体幹トレーニングもとても大切だと感じます。

 

 

次回は、「サーブ」です。

スピンについて

Today’s Lesson Concept : ラケット操作を目的に応じて行う

本日のジュニアレッスンサポートでは、生徒さん達の「ラケット操作」の上達を感じました。新年明けて初めてのレッスンでしたが、皆上手く操作できていたと思います。これまでは、どうしてもラケットを振り回してしまったり、全球カットしてしまったりと中々上手くラケットを操作できていない状態でした。しかし、本日のレッスンではショートテニスからベースラインからのストロークを続ける過程で「ラケットを振る速度や円の軌道」が自然と変わっている事が伺えました。当スクール代表のコーチングでメインの「考える」事が浸透し始めている状況でした。全てを教えられて実践するのと、ある程度時間をかけて自らが気づいて実践できるようになるのとは、明らかに後者の方が強くなると考えます。

本日のレッスンで「ラケット操作を目的に応じて行う」事ができるようになれば、もっとテニスが楽しくなると感じます。

 

本日は、 「スピン」について考えてみたいと思います。他のスクールの生徒さんやテニスをされている方を見ていると、「スピン」を効果的に使っているプレイヤーはあまりいないと感じます。厳密に言えば、「スピン」を打っている感じではありますが、弾道は「フラットドライブ」系の球威がある回転のかかったフラットが多いと感じます。改めて考えると、この状況は今のテニスでは必然な事だと思います。

今のテニスは、ラケットの進化、ストリングスの進化で球速が非常に速いテニスになっていると感じます。あまり筋力がないプレイヤーでも速いボールを打つ事はできると思います。この「速いテニス」が「スピン」の存在を希薄にしていると考えます。

球速が速い → ラケットが球を弾く時間が短い → ボールをholdする時間が短い

→ ラケットに掛かりにくい → スピン(回転量)が少ない

しかし、球速が速いとやはり「気持ちが良い」ショットになるので、それで「良し」となっちゃうんですね。でも、このようなテニスだからこそ「スピン」が大きな武器になれると思うのです。

球速が速いラリー → リズムで打つ → 直線的にラケットに当てる事が必要

このような高速テニスを崩すには、「タイミングを外す」事ですね。いい感じで打ち合っては、高速ラリー勝負でどちらかがミスをしたもの負けの試合展開になります。高速テニスに真っ向勝負よりも、それに対応したプレイスタイルを選ぶべきだと思うのです。

「タイミング」を外す事ができるショットが「スピン」と「スライス」ですね。「スライス」は「スピン」と比較してよく見られます。これは、安全性(相手コートに返る)から選択されていると感じます。ですので、より「タイミング」を外す事ができ、且つ皆が持っていない「スピン」を打つ事ができれば、この高速テニスの中で優位に立つ事ができると考えます。

だからと言ってただ単に上に擦り上げて「スピン」を打てばいいのかと言うとそうではありません。

 

「スピン」は「しっかり打たないと」チャンスボール(打ち頃の球)になる

 

「スピン」の軌道は大きな放物線です。そして着地してから大きく跳ねます。この「スピン」の特徴を理解し、利用できなければ「より高速の返球」で攻められる事になります。

 

大きな放物線 = 球威がない = 相手が準備するのに十分な時間を与える

大きく跳ねる = コート中央部からだとベースラインで調度の高さになる

 

「スピン」とはこのような球だからこそ、どこに打てば効果的かを考えなければなりません。

 

「スピン」は「ベースライン手前」に着地(深いボール)する弾道が一番効果的

 

状況的に放物線を描く事から、ノーバウンドで打ち返すプレイヤーはいないと思われますので、相手は下がるかライジングで返球せざるを得なくなります。相手を下がらせる事ができればそれだけで優位ですね。また、下がりながら放たれるショットに威力(スピード)はないと思われます。ライジングで返球された場合はより速い球が返ってきますが、これは相手にとってもリスキーな返球です。

このように「スピン」を深く落とす事ができれば、今の高速テニスに対応できる大きな武器となると考えます。

 

MYTAでも、生徒さんのスタイルを見ながら、スタイルに合えば「スピン」の活用を推奨していこうと思います。

 

しかし、「スピン」を「ベースライン手前」に落とす事が難しいと思います。でも・・・・・・・できるはずですね。

 

この「スピン」をより「深く」に落とすスキルについては、また機会があればお話ししていきたいと思います。

 

次回は、「軸と重心について」です。

【Coffee_Break】 今日のシュウちゃん

Today’s Theme : おかえりを忘れる・・・

玄関の開く音、閉まる音がすると、『帰ってきた!!ワッフワッフ』と階段の上から廊下を覗き込み、シッポをふりふり『おっかえり~』と、じいさまとばあさまを出迎える事が日課のシュウちゃんです。

 

が!!!

 

今日は、ち~とばかりやらかして激怒られされたところで、ウルトラしょんぼりしていたため、なんとびっくり、玄関の音を聞き逃してしまい、階段に向かわないシユウちゃん。

優しい主人な私が、「あら~、じいさまとばあさま、帰ってきたみたいね~」とさりげなく教えてあげると、

はっっっ!!とした顔は見せず(笑)、「いやいや、気づいてましたけど~」という体で、素知らぬ顔で≪おかえり≫を遂行していました。

賢いわ~、と親ばかな私でした。

テニスが上手いと強いとは違う??

Today’s Practice Concept : スイングのチェック

本日からようやくテニスができるようになりました!・・・・・・・まさに、待望!!

本日の練習は、久しぶりと言う事もあり「スイングのチェック」をコンセプトに行いました。ラケット面の真ん中にしっかりとボールが当たっているか「音」を重視し、チェックを行いました。

いい「音」がでていました。しかし、スピンの掛かりが弱く、球速が予想以上に出てしまったボールがあったので、次は「スピンの掛かり」をコンセプトにチェックしたいと思います。

 

本日は、よく話題になる「テニスが上手いと強いの違い」について考えてみたいと思います。

テニスコーチをされている方のブログを拝見すると、「コーチをするのに強いプレイヤーは求められない」と書かれているブログがよくあります。これは、どういうことなのかを考えてみたいと思います。「強い」と「上手い」の基準は何なのかというと「試合で勝てるかどうか」という事だと感じます。「試合で勝てる」のが「強い」、「テニススキルのレベルが高い」が「上手い」になるのでしょうか。・・・・・・・・何かわかるようでわからない感じですね。「テニススキルのレベルが高い」なら「試合で勝てる」はず?!ではないかと思いますね。

 

「テニスで勝つ」には、「スキル」は必須ですね。レベルの高いショットを打てるかどうか、色んな球種を打ち分ける事ができるかどうかはとても大切なfactorです。しかし、こんな話を聞いたことがあります。R.ナダル選手の試合前の練習で、ラリーが3本も続かない(続けない)。凄い思いっきりフルスイングでラリーをしていたそうです。「テニスが上手いプレイヤー」がラリーを3本続かない(続けない)事は恐らくないでしょう。なぜなら、「テニスが上手いプレイヤー」は「ミス」をすることを極端に敬遠すると思うからです。ですので、「テニスが上手いプレイヤー」は練習でのラリーもきっちりと正確に、永遠と思えるくらいにラリーを続けると思います。では、なぜR.ナダル選手はそんな「ミス」とも思える事を練習で行っていたのでしょうか。言わずもがなですが、R.ナダル選手は「強い」ですね。このことをジーッと考えていると、ふと気づく事がありました。

 

「テニスが強いプレイヤー」は一定の「スキル」を「オリジナル化」して活用している

 

R.ナダル選手の練習での「ミス」は、彼なりの調整方法だったのではないかと思います。試合では、環境の変化でR.ナダル選手とは言えども緊張はすると思います。となると、ラケットを十分に振れなくなる可能性があります。R.ナダル選手のプレイスタイルから、あの強烈なスピンは豪快なスイングにありますね。あの豪快なスイングができなくなると、武器が使えない状態になり試合にならないと思われます。だから、練習でしっかりと「スイング」する状態を作っていたのではないかと思います。つまり、ラリーで相手コートに返す事が目的なのではなく、しっかりとスイングができる肩を作っていたと思うのです。

このことからも、「テニスが強いプレイヤー」は「スキル」を自分のスタイルに合った「オリジナル」としていると考えられますね。

では、この「オリジナル」をコーチが生徒さんに教えられるかどうかです。・・・・・・・・「オリジナル」とはそのプレイヤーに合ったスタイルで、そのプレイヤーが強ければ強いほど「オリジナル化」が顕著にみられ、万人が真似をする事は難しくなります。R.ナダル選手のスピンを打てるか・・・・という事です。

テニスが上手いプレイヤー」は「スキルのレベルが高い」のであって、「オリジナル化」はされていない状態です。ですので、万人が真似をする事ができると思います。且つ、「レベルが高いスキル」ですので、非常に参考になり、生徒さんも良いお手本が見れる為、上達も早いと思います。

 

「テニスが上手いプレイヤー」はたくさんの「スキル」を「high-level」で習得している

 

このように考えると、「テニスが上手いと強いとでは違う」という事がわかると思います。

 

但し、「テニスが強いプレイヤー」がコーチをする事ができないかというとそうではありません。R.フェデラー選手のコーチであるステファン・エドバーグ氏、N.ジョコビッチ選手のコーチであるボリス・ベッカー氏、錦織圭選手のコーチであるマイケル・チャン氏、A.マレー選手のコーチであるアメリ・モレスモ氏やヨナス・ラース・ビョルクマン氏は世界でもトッププレイヤーでした。なぜ、「テニスが強いプレイヤー」がコーチをしているのでしょうか。

これは、トッププレイヤーのコーチだからだと思います。R.フェデラー選手やN.ジョコビッチ選手に最早「スキル」を教える事はありませんね。これらのコーチは、「スキル」ではなく、「(経験に裏打ちされた)戦略」を教えていると思います。各トッププレイヤーが何を習得したいかによってコーチを選んでいるんですね。

このことからも、コーチは「スキル」だけを教えるものではなく、「戦略」に関しても教えるものだと感じます。「戦略」とは、「スキル」の使い方です。生徒さんのTypeに合った「スキル」を選び、それをどのように組み立てて使うのかをまとめたものが「戦略」です。

 

このように、「テニスが上手いと強いとでは違う」事を理解できれば、「上手いプレイヤー」と「強いプレイヤー」とでは「コーチング」も違って然るべきだと感じます。

 

私自身、「上手いか」「強いか」と言われれば、まだまだだと思いますが、それらを理解し、目指していこうと思います。

 

 

次回は、「スピン」です。