集中について

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Today’s Lesson Concept : ライジング(前で捉える)

本日は、「集中」について考えてみたいと思います。

集中」とは、国語辞典で調べると「1か所に集める事、または集まる事」とあります。よく「集中しろっ!」とか「集中しないと・・・」と言われたり、思ったりするケースがあるのではないでしょうか。

「集中する」とは、意味合いから考えると「1か所に集める」という事になると思われます。ここで、大切なことは「何を」集めるのかという事です。一概に「集中する」とよく言いますが、みなさんは「何を集めるのか」を考えた事があるでしょうか。この「集中」で集めるものとは一体何のことなのかを考えてみたいと思います。

 

テニスで「集中」するシーンを思い浮かべてみましょう。

 

①カウンターを打つ際に集中する

②相手のサーブに対しリターンを集中する

③ベンチで集中する

④ブレイクポイントで集中する

⑤ファーストサーブを集中する

⑥ラリーを集中する

⑦ミスをしないように集中する

等々

 

テニスで「集中」するシーンとは、挙げだすときりがなく、無数にあると思います。例えば上記6つの「集中」は何を集めているのでしょうか。

 

①-a  ボールを見る単一的視点

②-b  相手の位置とボールを見る局所的視点

③-c  戦略を考える全域的思考

④-d  リターンからポイントまでを考える局所的思考

⑤-e  インパクトを見る局所的視点

⑥-f  相手の位置やインパクト、スイングなどを見る全域的視点

⑦-g  ミスをする原因を考える単一的思考

 

このようにテニスで行う「集中」とは、「視点」と「思考」を集める事をいうのではないかと考えます。しかし、「視点」や「思考」を集めるとはどのような事なのでしょうか。

 

そもそも「集める」という事は「散らかっている」状態だから発生する行動ですね。もともと集まっているなら「集める」必要はないですから。この事が大切なのです。

 

 

「集中」する時は「散らかっている」状態と考える

 

 

では、何が「散らかっている」のかを考えると、先ほどの「視点」「思考」が「散らかっている」のです。テニスでは、行き交うボール、動く相手、サーブを打つ際に上を向くなど常に素早く色んな所を見ています。それだけ「見(視)なければならない点」がたくさんあると思います。また、相手がどのようなボールを打ってくるのかを予測する、サーブはどこに打つ、リターンはどこに打つ、どのようにネットに出るなど常に瞬時にたくさんの事を考えています。それだけ「思い考えている」事がたくさんあると思います。

このようにたくさん見(視)て、考えながら実践するスポーツですから、それらを「集める」作業、すなわち「集中」がとても大切になると思う訳です。

 

 

「集中」するとは、たくさんの「視点」や「思考」をその時に合った「所」に集めるという事

 

 

「集める」とはどうすればいいのでしょうか。「視点」を集める、「思考」を集めるとはどのような事を言うのでしょうか。

これはcase by case です。その時に必要な「所」があるはずです。先述した①~⑦を考えても、一つ一つ「集める所」があるはずです。例えば、①のカウンターを打つ際に集中する場合は、飛んでくる「ボール」に「視点」を集める訳です。ここでもう一つ大切な事があります。それは、①-a~⑦-gまでで現れた「単一的・局所的・全域的」という「集める単位」があると言う事です。「集中」するとは「1か所に集める事」でした。しかし、テニスにおいては常に1か所に集める訳ではないと思うのです。

 

単一的→1か所

局所的→複数個所

全域的→全体

 

単一的は、1か所へ「視点」や「思考」を集める。言い換えれば、一つのことだけを「見る」「考える」と言う事です。

局所的は、複数個所へ「視点」や「思考」を集める。言い換えれば、複数の事を「見る」「考える」と言う事です。

全域的は、全体へ「視点」や「思考」を集める。言い換えれば、全体の事を「見る」「考える」と言う事です。

 

これを見ると、単一的はイメージしやすいですが、局所的、全域的はイメージしにくいかと思います。

局所的は、2つ以上の事が関与しているものに対して行う事。例えば、②のリターンを集中する事について、リターンをしっかりと打つには「ボール」と「相手の位置」という2つの事が関与していますね。

全体的は、全体の事が関与しているものに対して行う事。例えば、③ベンチで集中する事について、自分の戦略について「ショット」「メイク」「相手の状態」「雰囲気」など試合全体の事が関与していますね。

 

このように一言で「集中する」と言っても、「何を」集めるのか、「どのように」集めるのかを明確にしなければ本当に「集中」はできないと思います。

また、「集中」する(集める)と言う事は、余計な「視点」や「思考」を省くと言うことでもあります。「視点」においていうと、単一的視点で「ボールを見る」と決めたなら、相手の位置や動きを「省く」のです。つまり、見ないと言う事です。また、「思考」においていうと、全域的視点で「戦略を考える」と決めたなら、「ボール・ショット・サーブ・インパクト等」のような単一の事を「省く」のです。つまり、一つだけを見ないと言う事です。

 

 

「集中」するとは、余計な「視点」や「思考」を「省く」事

 

 

MYTAでも「集中」を高められる環境を「集めるもの(ボール・相手など)」と「集める方法(単一・局所・全域)」を考えて作っていきたいと思います。

 

 

次回は、「練習(レッスン)プラン(計画)」についてです。

 

 

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